介護現場で実際に安否確認サービスを導入している事業所は、一定数あります。実際の導入事例を見てみましょう。
ある施設では、阪神淡路大震災をきっかけに導入したというところがあります。導入のきっかけは、施設長や職員が施設の確認をしたところ、職員が全員来なかったことでした。入居施設利用者や当直の職員の安否はその場で確認できたけれども、その場にいない施設関係者で電話がつながらない人がおり、早期の安否が確認できなかったことが不安でした。交通網も大幅に混乱している状況で、職員宅に向かうこともままならなかったことを振りかえり、導入が必要と考えました。良かったところは、発信したメッセージを誰が読んでいるかその場で確認できる点です。たとえ顔が見れなくて声も聞けなくても、行動がわかる点は大きなメリットになっています。
また他の施設では、防災訓練の一環として、安否確認サービスを導入したという事例もあります。形態やスマホなどでは「171」の災害伝言ダイヤルをはじめ、災害時に活用できるサービスもありますが、いざ災害時になってそれがどの程度機能するのかを疑問視する声もあったようです。また施設と職員だけではなく、職員が自分の家族とも同じやり取りができるといった点に関しても、安心して働けることから導入を希望するきっかけになりました。実際に防災訓練として安否確認サービスをやってみると、職員や利用者の防災に対する意識の確認ができるという効果も期待できるようです。